JTBが地域の環境保全活動に、歴史・文化、観光素材に触れる機会を盛り込んだ「JTB地球いきいきプロジェクト」を積極展開している。2012年度に本格導入して以来、着実に実績を積み上げ、15年度は全国59カ所でプログラムを実施する計画だ。参加者は環境保全に取り組みながら、その地域の自然環境や歴史・文化などの魅力を体験でき、JTBにとって顧客開拓にもつながる。環境ツーリズムとして今後も活動を推進していく。
前身は、日本各地の観光地を清掃するボランティア活動「観光地クリーンアップキャンペーン」。12年の創立100周年を機に現在の名称に変更。それまでの清掃中心の活動から幅を広げ「事業の柱である地域交流ビジネスを活性化するため、その地域を知ってもらう活動に力を入れるようになった」(加藤八十司・ブランド戦略担当マネージャー)。参加した延べ人数は13万人以上に上る。
プロジェクトを展開するに当たり、JTBが日帰りバスツアーなどにかかる費用を負担。顧客と社員が一緒に汗をかくのは全国一律の姿勢だが、プログラムは横展開せず、「各地域の担当者が常にアンテナを張っている」(加藤マネージャー)ことで地域固有の環境保全活動を展開。具体的には植樹や伐採、収穫作業、地域の自然を学ぶレクチャーなどで構成されている。