--足元の消費動向は
「景気回復の実感はさほどない。いつの時代でも消費の二極化はある。ここにきて価格の低い商品を選ぶ傾向が強まっている。消費者の財布のひもは固い」
--ビール市場をどうみる
「ビール市場は平成7年のピークから約20年で25%縮小し、各社はシェアを死守するため、激しい販売競争を繰り広げている。世界をみてもこれほどの過当競争をしている市場は日本以外にないだろう。今後、裾野の拡大に向け知恵を絞っていきたい」
--どの商品に注力するのか
「クラフトビールだ。クラフトビールの国内市場シェアは1%と小さいが、米国やオーストラリアなどでは右肩上がりで伸びている。生産量に限りがあるため量は追求できないが、利益率は高く、成熟市場の日本に適した商材だ」
--ビール業界の再編が世界的に進んでいる。日本市場への影響は
「将来、巨大ビールメーカーが日本市場に参入するかもしれないが、現在のようなもうからない日本市場は魅力がないだろう。マーケットが縮小する中、国内には大手メーカーが4社もあり、日本市場に積極的に参入することは考えにくい」
--ブラジル事業の立て直しが急務だ
「23年の買収時と比べると、経済環境は大きく変わった。特にレアル安は全く予測がつかなかった。31年の黒字化を目指しているが、前倒しで達成したい」