【高論卓説】マックとスタバの進路 「創業者」の決断は将来を決める (1/2ページ)

2016.1.27 05:00

 「3年間のご愛顧ありがとうございました」。閉店を知らせる画用紙大の小さなポスターの文字は、コーポレートカラーの赤である。マクドナルドの店舗のなかで日本最大だった、原宿表参道店が15日に営業を終了した。

 JR原宿駅から青山通りに抜ける表参道に面した、ビルの2、3階部分にその店はあった。東京を代表する街から、「マック」が消えることは業績低迷の象徴的な出来事といえるだろう。日本マクドナルドホールディングスの株式について、米国の本社が持ち株の一部を売却する意向であることが報じられたのは、昨年末のことである。

 東京都世田谷区にある駒沢大学の入り口と並ぶようにして、スターバックスの駒沢1丁目店が開店したのはクリスマスイブ。ログハウスのような店は、店内に入っても木材の壁や木造りのテーブルなど、オフィス街の「スタバ」とは趣を異にする。コーヒーだけではなく、ワインとビールが飲める。

 街がしゃれているという感覚は、「スタバ」とユニクロ、そして無印良品の店舗があるかどうかだといわれる。

 スターバックスの創業者である、ハワード・シュルツ氏は「発足時の決断が事業の推進だけではなく、企業の将来にいかに重要な影響を及ぼすか、わからない」(「スターバックス成功物語」)と述べている。

 ニューヨークの大企業の幹部だったシュルツ氏が、たまたま訪れたシアトルの街で「スタバ」の前身である、コーヒー豆の販売を主とするコーヒーショップの味の虜(とりこ)になった。それまでの成功をなげうって、その会社に入社し、独立してさらには元の会社を買収して基盤を作った。街の人々が憩う店づくりを目指した。

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