大手電力10社の2015年4~12月期連結決算が29日、出そろった。保有原発が再稼働した九州電力と、関西電力、北海道電力の経常損益が黒字転換し、4~9月期に続いて全社が黒字を確保した。電気料金の値上げや燃料費減少が奏功した。全社が4~12月期で黒字になるのは東日本大震災後初めて。
29日に決算を発表した関電の経常黒字は5年ぶり。燃料価格の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」に助けられた側面が大きい。
燃料の原油や液化天然ガス(LNG)の価格下落が電気代に反映されるまで3~5カ月かかる。4~12月期は電気代に先行して燃料費が下がったタイムラグの影響で900億円も利益が押し上げられた。また昨年6月からの電気料金の再値上げが収益を950億円底上げした。
一方、この日再稼働した高浜原発(福井県)の3号機と、来月下旬の再稼働を目指す4号機を合わせた収益改善効果は通期業績に寄与する見込みだ。