経営再建中の東芝は2日、スマートフォンなどに使われる記憶用半導体を増産するため、三重県四日市市にある工場に隣接する土地約15万平方メートルを取得すると正式に発表した。取得額は30億円。平成28年度中に新工場の建設時期や生産能力などを決める方針だ。
東芝はスマホやデータセンター向け記憶用半導体の需要拡大を見込み、土地取得を決めた。新工場で記憶容量を高めた3次元構造の半導体(3次元メモリー)を本格的に量産する。
ライバルの韓国サムスン電子も、3次元メモリー量産に向けた新工場をソウル近郊に建設しており、東芝も対抗する。
関係者によると、東芝は今後数年間で5千億円を新工場建設に投資する計画で、30年度までの稼働を目指しているという。投資は提携する米サンディスクと折半で行う。
また東芝は同日、大分工場(大分市)のシステムLSI(高密度集積回路)製造部門と岩手東芝エレクトロニクス(岩手県北上市)を合併し、新会社「ジャパンセミコンダクター(仮称)」を4月に設立すると発表した。同事業の売却も検討していたが、当面継続する。