小堀専務は会見で、「全従業員のコンプライアンス(法令順守)意識を高め、新中期計画を着実にやり遂げる」と抱負を語った。
旭化成の足元の業績は堅調だ。2015年4~12月期連結決算は、主力の石油化学事業や住宅事業の好調で、営業利益が過去最高となった。
もっとも、来期は業績悪化が避けられない。
売上高の約3割を占める住宅事業は、広告宣伝を自粛していることもあって昨年11月以降、10%を超える受注減が続く。くい工事の新規営業もストップしたままだ。横浜のマンションについても、巨額の補償費用が発生する可能性がある。
「4月からは広告宣伝を順次再開し、通常の状態に戻したい」。小堀専務はそう語るが、正常復帰への道のりは険しい。(井田通人)