原油価格の下落を受けて、国内石油元売り各社の業績が悪化している。9日出そろった大手3社の2015年4~12月期連結決算は、原油安に伴う在庫の評価損が膨らみ、JXホールディングス(HD)をはじめ全社が最終赤字となった。石油開発事業の減損損失も足を引っ張った。
9日決算を発表したコスモエネルギーホールディングス(HD)は、15年4~12月期の在庫評価損が411億円だった。
原油価格は、指標の米国産標準油種(WTI)の先物相場で1バレル=30ドルの節目を一時割り込むなど軟調に推移。主要産油国による生産削減への期待も薄れ、本格的な反転上昇が見込めない状況だ。
このため、3社は16年3月期の原油価格の想定を1バレル=5~10ドル引き下げると同時に、業績予想も下方修正。最終損益は、在庫評価損の拡大が響き、JXHDが3300億円、出光興産が130億円、コスモHDが270億円の最終赤字をそれぞれ見込む。最終赤字は3社とも2期連続となる。
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■石油元売り大手3社の2015年4~12月期連結決算
(売上高/営業損益/最終損益)
JXHD 6兆6890(▲19.8)/▲792(-)/▲1133(-)
出光興産 2兆7968(▲21.8)/▲181(-)/▲ 269(-)
コスモHD 1兆7314(▲26.0)/▲196(-)/▲ 486(-)
※単位:億円。カッコ内は前年同期比増減率%、▲はマイナスまたは赤字、-は比較できず。コスモHDは旧コスモ石油との比較