マイナス金利の余波 銀行・企業・家計…プラス効果実感には時間も (3/3ページ)

2016.2.10 06:00

 日銀のマイナス金利政策は実質金利を押し下げ、世の中にお金が回りやすくすることで、企業の設備投資や賃上げを後押しする狙いがある。これに対し、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主任研究員は「すでに企業の手元資金が潤沢な状況にある中で、新たな資金需要が喚起される可能性は小さい」と指摘する。日本商工会議所の三村明夫会頭も「すでに金は借りている。それを設備投資に回す環境にはあまりない」と説明する。

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 銀行の収益面では、利ざやの悪化を通じたマイナス影響が懸念される。金融庁は銀行の業務計画やシステム対応の点検に乗り出す。特に、運用先に困った地方銀行が外国債券や不動産投資信託(REIT)といったリスクの高い有価証券運用をむやみに増やさないかも警戒している。

 SMBC日興証券によると、銀行は利ざや縮小の一方で日銀に高値で国債を売却できるので差し引き84億円、企業と家計は借入金の金利負担圧縮などで約1300億~2200億円の増益効果が見込めるという。ただ、プラス効果の実現には一定の時間がかかるとみられる。

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