自動車大手7社の2015年4~12月期連結決算が10日、出そろった。本業のもうけを示す営業利益は、ホンダ、日産自動車を除く5社が4~12月期として過去最高を更新した。北米や中国の販売好調に加え、円安効果が好業績につながった。だが、原油安などで資源国の市場環境が悪化しているほか、タカタの欠陥エアバッグのリコール費用拡大が利益を圧迫。足元では各社の想定レートを上回る円高が進み、今後の業績への懸念材料となっている。
日産が10日発表した連結決算は、営業利益が前年同期比40.6%増の5875億円と大幅に伸びた。米国販売が8.3%増の111万7000台と過去最高を記録したうえ、スポーツ用多目的車(SUV)「ローグ(日本名エクストレイル)」など利幅の厚い車種が増えて業績を牽引(けんいん)した。
14年3月期に中国の合弁会社を持分法適用会社にした影響で営業利益は過去最高に届かなかったが、売上高、経常利益、最終利益が4~12月期では最高となった。田川丈二常務執行役員は記者会見で、「好調な北米と西ヨーロッパが、不安定な為替と新興国市場の低迷を補った」と語った。