揺れ動くシャープ、拭いきれぬ不信感 鴻海と革新機構で“両天秤” (1/4ページ)

2016.2.13 17:06

サイン入りの文書を手にする鴻海精密工業の郭台銘会長=大阪市阿倍野区

サイン入りの文書を手にする鴻海精密工業の郭台銘会長=大阪市阿倍野区【拡大】

  • シャープ本社で報道陣の取材に応じる鴻海精密工業の郭台銘会長=大阪市阿倍野区のシャープ本社(彦野公太朗撮影)
  • 報道陣の取材に応じる鴻海精密工業の郭台銘会長=5日午後、大阪市阿倍野区のシャープ本社(彦野公太朗撮影)
  • シャープ買収交渉で本社を訪れた後、Vサインで引き揚げる鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長=5日、大阪市阿倍野区のシャープ本社(宮沢宗士郎撮影)
  • シャープ本社=大阪市阿倍野区(柿平博文撮影)

【漂流シャープ(下)】

 「優先的に交渉できる権利にサインした」

 5日午後5時半すぎ、大阪市阿倍野区のシャープ本社で、台湾・鴻(ホン)海(ハイ)精密工業の郭台銘会長は、興奮ぎみに報道陣のカメラに文書をかざした。

 ところが、その約1時間後、シャープは「優先交渉権を与えた事実はなく、最終的な契約条件を適時、誠実に協議するとした合意書を締結した」と発表した。本格交渉はすれ違いで幕を開けた。

 4日、シャープから鴻海との交渉を先行する方針を伝えられた郭会長の動きは早かった。「春節(8日)前後の連休前に交渉を加速させたい」と乗り込んできたのだ。台湾のカリスマ経営者の電撃訪問は噂にたがわぬ豪腕をうかがわせた。

 「郭会長はシャープのすべてを欲しがっている」

 鴻海関係者は買収の狙いを、こう解説する。

 家電や電子機器などの組み立てという業態で世界有数の企業に成長した鴻海はあくまでメーカーの“黒子”だ。消費者の手にわたる最終商品を製造・販売するシャープを傘下に加えることは、ブランドを手に入れるとともに、メーカーとして表舞台に躍り出ることを意味する。

顧客企業に指定された部品を組み立てるだけではなく、商品の…

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