【28年春闘】不透明さ増す景気・円高 経営側、デフレ脱却に重い責任

2016.2.18 01:24

 自動車大手の労使交渉がスタートした。裾野が広く、景気の牽引(けんいん)役である自動車業界でどこまでベアの動きが広がるかは、日本経済の先行きに影響する。政府が積極的な賃上げを求めるが、世界経済の先行きは不透明感を増しており、経営側は難しい判断を迫られている。

 「不透明な経営環境の中、さまざまな方面にも影響を与える状況を踏まえると、本年の交渉はこれまで以上に大変難しいものになる」

 17日、労働組合から要求書を受け取ったトヨタ自動車の伊地知隆彦副社長はこう強調した。

 消費税率引き上げや軽自動車増税などで国内販売は低迷。原油安で中東やロシアなど新興国市場も苦戦が続いている。足元の円高傾向が強まれば、業績に打撃を与える恐れもある。

 自動車大手は平成26年以降、毎年ベアを実施してきた。トヨタなどの人件費は増加傾向にあり、経営の重しになりつつある。

 一方、27年4~12月期決算ではトヨタや富士重工業など5社が過去最高の営業利益になった。「アベノミクス」を背景にここ数年続いた円安で利益がかさ上げされている側面がある。

 デフレ脱却を目指す政府は今年、大手企業に「3%程度」の賃上げを要請している。日銀もマイナス金利という異例の金融政策に踏み切る中、民間部門を代表する自動車大手の責任は一層増している。

 労組側も「社会的な要請から自動車産業の労使は逃れることはできない。明るいメッセージを出していく使命がある」(自動車総連の相原康伸会長)と経営側にプレッシャーをかける。

 27年春闘では、トヨタはベア4千円、日産は同5千円を回答した。今年の要求額(3千円)はそれを下回る水準で、満額回答のハードルは下がっている。

 日本総合研究所の山田久調査部長は、ベアは経済効果が大きく、業績の良い自動車、電機大手については「満額回答が望ましい」と指摘。「(国内景気が)原油安や中国経済など外的要因によって不安定だからこそ、内需強化につながる賃上げが必要だ」と呼びかけている。

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