「引き延ばした目標を示したわけではない。もう少しいけると思う」
三木谷氏は12日の決算会見で、20年までに営業利益を15年12月期比2.3倍の3000億円に引き上げる中期経営計画の達成への疑問を打ち消すようにこう淡々と話した。
3000億円のうち5割強の1600億円を楽天市場など主力の国内EC事業で見込んでいるが、同事業の成長は足元で鈍化。2桁だった営業利益の前期比伸び率は15年12月期に4.6%に失速した。ヤフーやアマゾンなどネット通販各社との熾烈(しれつ)な競争にさらされたためだ。
ドイツ証券の風早隆弘シニアアナリストは「当社の調査では昨年7~9月期の楽天市場の売上高は12%増。しかし同時期のアマゾンは30%増で、『アマゾンよりなぜ伸びないのか』と三木谷氏も悩んでいるはず」と話す。
新規事業開拓に奔走していた三木谷氏も、昨秋からは楽天市場の強化策に費やす時間が増えたという。楽天市場担当の河野奈保執行役員は「戦略変更のため(三木谷氏が)自身の言葉で時間の許す限り話したいということだ」と事情を説明する。