西武信用金庫(東京都中野区)も「地元貢献の一環」として3月から定期預金の金利を引き上げる。3、4年物は店頭金利に0.01ポイント、5年物は0.02ポイント上乗せする。
信金は銀行に比べ、運用資金を市場から調達する割合が少なく、ほぼ預金でまかなっている。営業地域が狭いこともあって大手銀のように「預金が余って困る」という状態ではなさそうだ。
さらに、全国の信金の上部組織である信金中央金庫に預金すれば、利息がもらえるという安心感もある。信金中金は預金金利を公表していないが、関係者によると「日銀の当座預金につく0.1%を上回る」という。このため、日銀当座預金の一部に課されるマイナス金利分をカバーできる。全国約260の信金で金利を引き上げる動きが広がれば、個人や中小企業の預金が銀行から流入する可能性も出そうだ。(藤原章裕)