企業、同性愛者向けなど対応増加 多様性生かし競争力向上 (2/2ページ)

2016.3.1 05:00

社内で同僚と打ち合わせをする明智カイトさん(右)=1月、東京都千代田区

社内で同僚と打ち合わせをする明智カイトさん(右)=1月、東京都千代田区【拡大】

  • LGBTに理解があることを伝えるため、パソコンのモニターなどに貼られた「Ally」のステッカー=東京都中央区の野村証券

 野村証券は新卒採用の際のLGBT差別禁止を徹底している。経営破綻したリーマン・ブラザーズの事業継承を機に2009年から本格化した。職場での対応も細やかで、理解を示したい社員は「LGBT Ally(アライ、同盟、支援)」のマーク入りステッカーをパソコンなどに貼り付ける。8割が付けた部署もあり、何かあれば相談できる態勢を取る。人材開発部の東由紀さんは「『カマっぽい』など同僚の差別的な発言を聞いたら、辞めたいと思うかもしれないし、商談の相手だったら会社の信用を落としかねない」と強調。目的は「多様な見方を生かし、競争力を上げる」ことだ。

 ◆結婚祝い金も適用

 日本IBMは今年1月から同性婚にも結婚祝い金や休暇制度の適用を始めた。パナソニックも4月から同性婚を結婚休暇など社内制度の対象にすることを検討。イオンは15年度にグループ各社の管理職1000人以上を対象に研修を実施した。NTTグループも今年2月、初めて全国規模の研修をした。「性別変更をしたいといった申し出も出始めている」と担当者。老人ホーム紹介業の「笑美面」(大阪市)は3月、仕事を探すLGBTと人手不足の介護事業者を結び付ける就職イベントを東京で開く予定だ。

 20~59歳の男女を対象とした電通の調査では、LGBTの割合は7.6%で、関連市場規模は5.9兆円。調査を担当した阿佐見綾香さんは「独身者が多く、可処分所得が高いため、市場として注目度が高い」と指摘。「対応する企業にはイメージを上げ、共感する層を含めて取り込む狙いもある」と分析する。

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