損保各社、認知症患者増への対応加速 賠償や治療支援

2016.3.2 06:14

高齢者の認知症患者が増える中で損保各社は対応を強めている(写真はイメージです)=ブルームバーグ

高齢者の認知症患者が増える中で損保各社は対応を強めている(写真はイメージです)=ブルームバーグ【拡大】

 保険各社が認知症患者の増加を見すえた品ぞろえを強化している。東京海上日動火災保険と損害保険ジャパン日本興亜は1日、患者が事故を起こした場合に賠償金を後見人に支払う損害保険を発売することを明らかにした。認知症の治療を支援する生命保険も登場した。保険を通じて、認知症の患者やその家族を支える仕組みが急速に広まりそうだ。

 認知症の男性が徘徊(はいかい)中に電車にはねられ死亡した事故をめぐり、家族に鉄道会社への損害賠償責任があるかが争われた訴訟で、最高裁は1日、家族の賠償責任はないとする判決を言い渡した。高齢化が進む中、認知症患者が起こした事故について家族がどこまで責任を持つべきか、注目が集まっていた。

 この事故をきっかけに、損保大手は重度の認知症患者が他人にけがを負わせたり、他人の物を壊した場合、家族が賠償責任を負うリスクを補償する「個人賠償責任保険」の契約内容の見直しを始めた。

 三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は昨年10月、離れて暮らす家族や成年後見人を補償の対象に加えた。従来は同居する家族しか対象に入っていなかった。自動車保険や火災保険に特約としてつける保険で、年間の保険料は1000~2000円程度、保険金支払額の上限設定は1億円からとなっている。

 東京海上日動は今年10月、損保ジャパン日本興亜も2016年度中に同様の改定を行う方針だ。

 生命保険大手も認知症を抱える家族の支援に乗り出した。太陽生命保険は1日、認知症と診断され、時間や場所、人物のいずれかの認識ができない症状が180日間続いた場合、最高300万円の一時金を支払う保険の販売を開始した。認知症の進行を遅らせたり、症状の緩和に役立ててもらう。

 厚生労働省の推計によると、65歳以上の認知症患者は12年時点で約460万人。25年には1.5倍の700万人に達する見通しだ。(米沢文)

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