住友化学は2日、連結営業利益を3年後に約3割増やす方針を掲げた中期経営計画を発表した。人口増加や食生活の変化を背景に世界全体で成長が見込める農業や医薬品の分野に集中的に投資し、需要を取り込む考えだ。
2019年3月期の営業利益を16年3月期予想より450億円多い2千億円にする計画だ。3年間の投融資額は7千億円を見込み、このうち企業の合併・買収に3千億円を使うという。
農業分野では飼料添加物の生産能力を増強するほか、微生物を使った農薬開発も急ぐ。医薬品分野では、子会社の大日本住友製薬を通じ、統合失調症やがんに用いる医薬品の研究開発を強化する。次世代パネルの有機ELなど情報電子分野にも注力する。
東京都内で記者会見した十倉雅和社長は「勝負する土俵(事業領域)を選び、技術で勝負できる分野に集中的に経営資源を投下する」と説明した。