【視点】北海道新幹線が狭める選択肢 競争ゆがめる“損失補填”の功罪 (1/3ページ)

2016.3.8 05:00

 □産経新聞経済本部編集委員・芳賀由明

 26日の開業まで20日足らずに迫った北海道新幹線。東京と北海道が約4時間で直結されれば、内外の観光客誘致に威力を発揮しそうだ。函館市をはじめ地元は歓迎一色かと思いきや、早くも「期待外れ」との声が聞こえてくる。

 北海道新幹線の料金は通常料金で2万2690円。大手航空会社の当日普通席運賃約3万8000~4万円よりは安いが、最も安い早割などは約1万2000円なので、かなり高額だ。函館-札幌間はさらに在来特急で3時間半、約5000円かかるため、道北や道東に向かう人が使うメリットは小さい。札幌在住の50代男性は「一度は乗ってみたいが、普段は飛行機で十分」とにべもない。

 もちろん割引切符もあるが、それも少しちぐはぐなようだ。JR東日本のモバイルネット販売で東京-新函館北斗間を購入すると14日前まで1万5460円だが、JR北海道のネット販売では1万7010円。道民になじみの薄い前者は携帯電話からクレジット払いでしか購入できず、高齢者にはハードルが高そうだ。

 北海道庁観光振興監の神姿子さんは「函館北斗に着いてから函館まではIC乗車券が使えないなど不便さがあります」と指摘。JR北海道の社外取締役を兼ねる神さんは観光客誘致促進の立場からサービスの不備を心配する。新幹線開業によって北海道と本州を結ぶ在来線の割引切符が廃止されることも、その路線を利用する住民には痛手だ。特に、函館-青森間は乗り継ぎが増えて時間短縮効果が薄れるのに料金は値上げになるため、地元の不満が強い。

 これまでも各地で新幹線開業のたびに在来特急の廃止などダイヤの統廃合は繰り返されてきた。JR各社の経営効率化の面からも一概に批判はできないが、最大の問題点は中・近距離を移動する人の選択肢がなくなることだろう。

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