この仕組みにより、通常の電動フォークリフトに比べ「80%以上のCO2を削減できる」(友山専務役員)という。今秋、実証実験を開始し、29年度には4施設で計12台の燃料電池フォークリフトを本格運用する予定だ。
こうした水素を活用する実証実験は全国各地で広がっている。トヨタは愛知県と共同で、廃熱を利用して製造した水素を燃料電池車に供給する実証実験を29年度から始める。
また、川崎重工業や岩谷産業も新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受け、神戸市で船を使った水素の海上輸送や陸揚げの実証実験を、32年にも行う予定だ。
ただ、課題は水素の運用コストだ。環境負荷の低減につながるものの、通常の電力や化石燃料に比べ、まだ水素はコストが高い。岩谷産業の竹本克哉取締役は「実証実験を通じて細かくコストを検証したい」と語った。政府は今後、全国各地での実証実験を後押しし、インフラを含めた日本の水素技術を、国内外に発信する考えだ。