日本郵政社長に長門氏発表 ゆうちょ銀は6月までに外部招請

2016.3.16 17:36

日本郵政の新社長に就任することが決まった長門正貢氏=16日午後、東京都千代田区(荻窪佳撮影)

日本郵政の新社長に就任することが決まった長門正貢氏=16日午後、東京都千代田区(荻窪佳撮影)【拡大】

 日本郵政は16日、西室泰三社長(80)が3月31日付で退任し、後任に長門正貢ゆうちょ銀行社長(67)が4月1日付で就任する人事を正式に発表した。ゆうちょ銀は6月の株主総会までに外部から新社長を招請する方針。2月8日から入院している西室氏が今月3日に辞意を示したことから、金融業務の経験が長い長門氏を新社長に選任し、昨年11月に上場したばかりのグループ経営体制を整える。

 長門氏は16日の記者会見で「日本郵政グループが一丸となって上場企業にふさわしい業績をきっちりあげるのをリードするのが私のミッション」と意欲を示した。ただ、日本興業銀行出身で金融業務に精通している長門氏も郵便や物流、生保といった業務を含むグループ経営の手腕は未知数。

 総務省出身の鈴木康雄上級副社長(65)が長門社長をサポートするとともにグループ企業の調整役を担うことになる。グループの中核であるゆうちょ銀は田中進副社長(56)が社長業を代行するが、長門氏は「金融の達人」を早急に招きたいと話した。

 2013年6月に日本郵政社長に就任した西室社長は15年11月に日本郵政、ゆうちょ銀、かんぽ生命の3社同時上場を成功させた。

 しかし、マイナス金利で市況が不安定な中、傘下のゆうちょ銀とかんぽ生命の株式売却、政府の日本郵政株式売却など民間企業への道のりは平坦(へいたん)ではない。資産運用では国債偏重からの脱却もリスク増が懸念される。金融事業の不振に加え、豪トール社を買収したものの国際物流事業のシナジー効果は不透明だ。

 課題山積の日本郵政グループ。長門氏は「日本郵政グループがいかりを上げて大海原に航海を始めた。楽しい大航海をエンジョイしたい」と話すが、巨大郵政丸の針路は凪ばかりではなさそうだ。

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