【テクノNavi】鹿島「マルチ造波水路」リニューアル

2016.3.19 05:00

リニューアルした津波の再現実験に使われる「マルチ造波水路」=東京都調布市

リニューアルした津波の再現実験に使われる「マルチ造波水路」=東京都調布市【拡大】

 ■多様な津波再現実験可能に

 東日本大震災で津波に対する防波堤、護岸整備への関心が高まっている。そのニーズに応えようと、鹿島の技術研究所(東京都調布市)は、津波の再現実験に用いる「マルチ造波水路」をリニューアルし、津波の高さを従来の2倍にするなど、性能を大幅に向上させた。

 マルチ造波水路は長さ60メートルあり、通常の波浪と津波を造ることができる。今回、ポンプの能力を向上し、100分の1縮尺の実験で最大20メートル相当の津波高が再現できる。例えば、東日本大震災で観測された2段型波形の再現実験や、今後発生が懸念されている南海トラフ地震の想定津波高による実験もできる。水路幅を従来の0.7メートルから1.2メートルに拡張し、規模の大きい模型を用いた実験も可能にした。

 リニューアルに踏み切ったのは、震災で想定外の大津波の被害があったことを契機に、防波堤や護岸、洋上風力発電基礎などの港湾・海洋構造物設計において、より大きな波力の実験データが求められたからだ。

 鹿島のマルチ造波水路を活用した実験から導き出した津波波力評価式は、2005年に内閣府の「津波避難ビルなどに係るガイドライン」に掲載されるなど、一定の成果がある。

 実験は海底地形を模型で再現するなど本格的で、実験期間は3~6カ月。震災後は、実験の依頼が相次ぎ順番待ちとなっているほどだ。

 港湾・海洋構造物の研究開発では、水理実験と数値解析の両面からの検証が不可欠。鹿島は今後、津波による影響や作用を把握し、安全な建設技術の確立や沿岸域の防災・減災対策に役立てる考えだ。

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