ビール系飲料の製造工程で冷熱を回収し、再利用する新システムを導入している。ビールは一般的に煮沸した麦汁を10度前後までに冷やして酵母を加え、貯蔵タンクで約0度の低温で数十日間ほど熟成させる。このため、缶や瓶などの容器に充填)する際のビールの温度は約4度と冷えた状態にある。しかし、その状態で充填すると結露が発生するため、常温に戻す必要がある。これまでは常温に戻すために温水や蒸気などが利用されていたが、熱交換器などで構成された新システムで充填前に冷熱を回収し、他の製造工程で再利用している。
回収した冷熱は酵母を加える前に、麦汁を冷やす際に利用している。昨年夏に新システムを導入した吹田工場では最大236キロワットの節電効果につながり、CO2排出量も約4%削減したという。現在のところ、新システムの導入は博多工場(福岡市博多区)と吹田工場の2カ所だが、将来は広げていくことも検討している。(松元洋平)