独自技術こだわったボルボとマツダ 常識を変えたクリーンディーゼルエンジン (7/11ページ)

2016.4.3 17:10

新開発ディーゼルエンジを積んだV40 D4。

新開発ディーゼルエンジを積んだV40 D4。【拡大】

 マツダのディーゼルエンジンもそうだが、従来のディーゼルエンジンの圧縮比は高出力を得る目的から16から18前後という高い範囲に設定されていた。そのためシリンダーブロックの素材はガソリンエンジンに使用されているアルミではなく、高い圧力に負けない鋳鉄を使うことが一般的だった。ボルボもマツダもともに、それぞれ独自の開発手法で可能な限り圧縮比の低減を図ることによって、鋳鉄からアルミへの転換に成功した。このおかげで、ボルボのディーゼルエンジンのシリンダーブロックは、ガソリンエンジンのそれと基本構造が同じになっている。

 2000年前後の数年間、同じフォードグループに属していた両社が、世界的な経済後退を招いたリーマンショックを契機に、それぞれグループからの独立を模索し、企業の生き残りをかけた独自製品の開発に邁進するプロセスで、新しいエンジンの開発をその中核に据えたことは、実に興味深い。しかも両社ともビジネスの規模は決して大きくはない。当時のマツダは年間販売台数120万台から130万台、ボルボに至っては40万台前後。

 独自のエンジン開発にあたって、マツダの場合には当初ガソリンエンジンの開発から始めている。並行的に開発していたとはいえ、ディーゼルエンジンの製品化時期は、ガソリンエンジンよりもあとに置いていた(実際には、ディーゼルエンジンの開発が順調に進み、両者同時に製品化し、2012年2月に発売している)。

ところが、ボルボは開発の効率の最大化を狙って…

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