【ハザードマップ】芳林堂書店 じり貧、脱却できず太洋社と共倒れ (1/2ページ)

2016.4.7 05:00

 都内などに9店舗の書店を展開していた芳林堂書店(現S企画)が2月26日、東京地裁から破産開始決定を受けた。

 芳林堂は人文系の書籍が豊富な書店として知名度を高め、1990年には関連会社が手掛けていた外商事業を引き継いで教科書や学習参考書などを学校や図書館、法人向けにも販売し、92年8月期は約70億円を売り上げていた。だが、90年以降は同業者や古書店の進出、ネット通販の新規参入などで競争が激化し、2003年に旗艦店だった池袋本店は閉店に追い込まれ不動産も売却した。

 08年に現社長が就任、書店売り上げの巻き返しを目指して相次いで出店を重ねた。新規出店を可能にしたのは出版取り次ぎの太洋社との蜜月関係が大きかった。太洋社は芳林堂の要請を受け入れ、新規出店時の書籍の支払い延期に応じていた。

 しかし業績は改善せず、14年に入ると大井町店と津田沼店を閉店。15年にはセンター北店、鷺沼店、汐留店も閉店し、事業規模は一気に縮小。同時に資金繰りが逼迫(ひっぱく)し、太洋社への支払いのめどが立たなくなっていた。

 太洋社からの支援の代償として、特別な仕入れ報奨金(売価ベースで1.8%)を受けることができなくなったほか、店頭の売り上げ減で、利益率の低い外商事業の売り上げ比率が拡大。これで有利子負債の返済や店舗の出退店の費用などに充てる手元資金が枯渇した。

 さらに、これまで支援を続けてきた太洋社が相次ぐ帳合変更で経営危機に陥ったことで事態が急変した。

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