ワイン用ブドウの苗木を植え付けるボランティアら=3日、福島県川内村【拡大】
東京電力福島第1原発事故で大きな被害が出た福島県の浜通り地方をワインの産地に-。そんな夢を掲げて、避難区域を抱える同県川内村などで醸造用ブドウの栽培が始まった。ワイン産地としての可能性を見いだした有志らが「日本葡萄酒革進協会」を設立し、地元住民や酒造会社、大学とも連携し、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年までに初生産を目指す。
4月初旬の川内村。まだ肌寒い標高約700メートルの山あいの畑で、ボランティアや村職員ら約20人が、ワイン用ブドウ「シャルドネ」の苗木を植え付けていた。
今年は約70アールの畑に、他品種も含め約2000本を植える予定。来年以降は畑をさらに拡大する計画だ。
畑は村有地で、苗木は協会が提供。栽培は地元住民が担当し、19年からの収穫を目指す。
協会は県北部の伊達市や原発事故で全町避難が続く富岡町でも、醸造用ブドウの栽培に興味を抱く農家と協力、小規模ながら今年から栽培が始まった。