グローバル化にのみ込まれないか…
鴻海傘下で経営再建にあたるシャープだが“身を捨てて浮かぶ瀬”はある。
江氏は「鴻海は、日本の優れた技術を生かしながら、実際に海外で売れる商品を提案する能力にもたけている。両社が連携すればアジアの発展にもつながる」と期待を寄せる。
シャープは、鴻海からの出資金について、有機ELに2千億円、液晶に600億円を投じる計画を立てている。米アップル社からiPhone製造を受注し、電子機器の受託製造業で世界トップに上りつめた鴻海にとって、シャープは非常に重要なビジネスパートナーとみられていることは間違いない。
その一方で、郭会長は「適材適所に人員を配置できていない」とシャープの組織を分析。社員の雇用については「全員残ってもらえるようにしたい」と明言したが、ドラスティックな組織改革で徹底的なコスト削減を図っていく方針とみられる。