電機大手4社が減収 平成28年3月期 ソニーは3年ぶり最終黒字 中国景気減速、円高が重し

2016.4.28 20:39

会見するソニーの吉田憲一郎副社長=28日、東京都港区(伴龍二撮影)

会見するソニーの吉田憲一郎副社長=28日、東京都港区(伴龍二撮影)【拡大】

 日立製作所、経営再建中の東芝とシャープを除く電機大手5社は28日、平成28年3月期連結決算を一斉に発表した。中国景気の減速や下期からの円高基調の影響で4社が減収、3社が営業損益ベースで減益となった。ソニーは、構造改革の成果などで実質的に8年ぶりの最終黒字を達成、前期が不振だったこともあり大幅な増益となったが、29年3月期の業績予想については熊本地震による生産拠点の停止の影響で5月24日まで公表を見合わせた。

 三菱電機は、中国景気の減速でスマートフォン業界向けファクトリーオートメーション(FA)機器などが減速。電力システムの採算悪化も響き、営業、最終ともに減益となった。

 パナソニックも電子部品が苦戦した。津賀一宏社長は「引き続き厳しい状況が続く」とみており、スマホにつながる家電を投入するほか、ODM(企画・設計を含めた委託生産)などで工夫し、白物家電を強化する方針だ。

 ソニーは、熊本地震で画像センサーなどを手掛ける熊本県菊陽町の工場が停止している。修理などにかかる費用は、地震保険の補償上限の200億円を上回る見込みだ。成長を牽引(けんいん)する画像センサーは中国景気の減速で伸びが鈍化しており、吉田憲一郎副社長は「スマホ関連市場の成長鈍化を前提に戦略を組み立てる必要がある」と述べた。

 熊本地震では、同県合志市の半導体関連工場と菊池市の液晶関連工場の一部再稼働のめどが立った三菱電機も「売り上げに影響する可能性がある」(松山彰宏専務執行役)、和水町の電子部品工場が再稼働したパナソニックも「サプライチェーン全体がどうなっているのか、現在では説明できる状況ではない」(津賀社長)とする。

 このほか、自動車機器の重要取引先の三菱自動車の燃費不正データの影響が広がる可能性がある。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。