フランスの自動車大手ルノーは4月29日、株主総会を開いた。カルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)の2015年報酬を「高額すぎる」として、持ち株比率にして約54%が反対した。直後に行われた臨時取締役会は減額しないことを決めたものの「次年から見直す」とした。フランスのメディアが報じた。
ゴーン氏の15年報酬は約725万ユーロ(約8億8000万円)。ルノーは日産自動車と資本提携し、ゴーン氏は日産の会長兼社長兼CEO。ルノーの報酬が高すぎることが、しばしばメディアなどで問題視されてきた。
ルノーの最大株主は議決権の約20%を握るフランス政府。政府は1年前のルノー株主総会で議決権拡大の動きを見せ、影響が日産の経営にも及ぶことを懸念したゴーン氏が激しく抵抗。昨年12月、ルノーと政府が日産の経営に介入しないことで合意した。今回の総会では政府も反対票を投じたという。
臨時取締役会の声明は報酬増額の根拠として、15年が好業績だったことなどを挙げた。(パリ 共同)