【熊本地震】宿泊キャンセル56万泊 九州関連ツアー大打撃

2016.5.2 21:19

地震で倒壊した重要文化財、阿蘇神社の楼門=4月28日、熊本県阿蘇市

地震で倒壊した重要文化財、阿蘇神社の楼門=4月28日、熊本県阿蘇市【拡大】

  • 閑散とした大分県別府市の鉄輪温泉。湯煙が至るところで上がり、普段は観光客でにぎわう=4月28日

 大型連休を前に起きた熊本地震で、九州全体の宿泊施設のキャンセルが少なくとも56万8千泊に上っていることが2日、各県や自治体などへの取材で分かった。九州新幹線の開業などで好調だった九州観光だが、書き入れ時を前に大きな痛手を受けた格好だ。九州観光は県をまたいで九州各地を回る周遊型ツアーも多く、影響は被害の大きかった熊本、大分両県以外にも広がっている。

 観光庁によると、九州7県の平成27年の4、5月の観光客数は、約897万3千人だった。JTB九州(福岡市)によると、大型連休中の九州への旅行予約数は前年同期比で4%増だったが、地震の影響で前年割れは避けられない見通しだという。

 県別でみると、最も多くのキャンセルがあったのは熊本県で約18万泊。以下、大分県約15万泊▽鹿児島県約7万6千泊▽長崎県約7万3千泊▽宮崎県約4万7千泊▽福岡県約3万泊▽佐賀県約1万1千泊-と続いた。

 地震で深刻な被害を受けた熊本県では、観光客を受け入れる態勢が整っていない自治体もある。阿蘇市観光協会の松永辰博事務局長は「まずはライフラインの回復」として観光より先に地域復興を訴える。

 一方、温泉地として知られ、4月16日の地震で震度6弱を観測した大分県別府市や由布市は、一部の温泉施設で被害を受けたものの、5月2日時点で別府市はほぼ全て、由布市も約9割の営業を再開している。それでもキャンセルが相次いでいることに、同県観光地域局の岡本天津男局長は「県にとっても大きい打撃」とため息をつく。

 福岡県観光政策課の中島徹也課長は「福岡だけでなく、他県と一緒に回るツアーも多い」と指摘。「熊本の余震が収まらないことには観光客の回復は難しい」と話している。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。