トヨタ自動車がまた試練に直面している。5月30日に系列のアイシン精機子会社で爆発事故が発生した影響でブレーキ部品供給が滞り、トヨタも一部車両工場での生産を31日夜から停止した。今年に入って、グループの愛知製鋼工場の爆発事故や熊本地震で計17万台の減産を強いられており、今回の事故が“トリプルパンチ”となる懸念もある。 アイシン子会社でブレーキ部品の国内シェア約50%のアドヴィックスの刈谷工場(愛知県刈谷市)で事故は起きた。これに伴いブレーキ部品の供給が不足しており、トヨタの車両生産にも影響が出ている。トヨタは31日夜に高岡工場(愛知県豊田市)など4工場6ラインでの生産を止め、1日朝からは元町工場(同)など9工場14ラインでの車両生産を取りやめる。トヨタは生産への影響について「精査中」とするが、アドヴィックスの生産停止が長引けば、大幅な減産につながりかねない。
ただでさえトヨタの生産は逆風続きだ。1月8日に愛知製鋼の工場で発生した爆発事故ではエンジンや変速機に使われる特殊鋼が不足しトヨタも2月に国内での車両生産を停止。約9万台の生産に遅れが出た。4月の熊本地震ではアイシン子会社工場が被災し、ドア部品などの供給がストップ。トヨタも一時的な生産休止に追い込まれ、約8万台の減産になった。こうした度重なる不測の事態の発生により、トヨタが遅れた生産分を取り戻すのはさらに難しくなってきている。