リニア中央新幹線の大阪延伸の前倒しをめぐりJR東海は2日、工事の前提となる環境影響評価(アセスメント)手続きについて、2027年の名古屋開業までに完了を目指す方針を明らかにした。安倍晋三首相が前日に資金調達の支援を打ち出したことをうけ、柘植康英社長が「名古屋開業後、できるだけ続けて次の工事を始められるよう全力を尽くしたい」と都内で記者団に述べた。
大阪延伸についてJR東海は当初、名古屋開業後に経営体力を回復させ、35年に着工、45年に完成させる計画だった。しかし財政投融資などの政府支援が実現すれば、最大8年の前倒しが可能となる。
このため同社は大阪までのルート選定作業を加速。品川新駅や南アルプストンネルの難工事が山場を越え次第、人員を延伸区間の環境アセス手続きに回す。
品川-名古屋間の環境アセス完了には約5年を要したことから、名古屋-大阪間は22年ごろに着手し、中間駅の位置などを確定させていく考えだ。