筆者は中国やタイで、多くの企業経営者の経験談や実際の動きを伺う一方、さまざまな手伝いや紹介を行ってきた。そこで共通しているのは、「早く動く」「確実に行動する」「お金や時間の予定をある程度決める」「うまく周りの支援者や仲間を巻き込む」ということだ。少なくとも「進むか、進まざるべきか」を決めるまでの時間とお金の範囲を決めることが必要だろう。筆者も海外での事業をスタートさせるに当たり、5年ほど前から定期的に入国し、3年前には具体的な事業計画をイメージしながら動いてきた。現地で支援事業を行っている皆さんと意見交換や情報収集を行った。
海外に行って情報を見聞きする方法は、官民の支援機関が行っている日本発着のフルパッケージの海外視察プランなどがある。しかし、本当に海外展開を考えるなら、個別の市場調査や展示会出展、視察をきっかけにした計画的な行動を行ったほうがいい。
次回以降、具体的な情報の受発信の方法などを解説したい。
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【プロフィル】井上直樹
いのうえ・なおき 大阪市立大工卒。1992年日商岩井(現・双日)入社。2003年メタルワンに移籍し、同社および三菱商事が出資するNCネットワークチャイナ設立のため中国駐在。08年NCチャイナ旧株主から事業譲渡を受け、香港にFNA設立。中国、タイ、ベトナム、日本に拠点を保有。46歳。滋賀県出身。