【遊技産業の視点 Weekly View】国策として射幸産業を育成する試み (2/2ページ)

2016.6.11 05:00

 このような状況下で、賭博の深刻性に対する反対世論は高まりを見せ、NGCCが07年に設立された。NGCCは設立時、個別法律と賭博種ごとの監督官庁の絡みから、現実的な側面を考慮し、許認可・事前審査・事前同意権といった権限は盛り込まなかった。このため競輪・競艇・カジノ業・体育振興投票券(スポーツくじ)は文化体育観光部、競馬・闘牛が農林畜産食品部、宝くじは企画財政部・福券委員会が所管している状況にあり、ある意味、NGCCは総合的な調整機関でしかない。その事実が、賭博種ごとに中毒管理センター・予防センターの乱立を生んだ。これらについては現在、韓国賭博管理センターへの集約化を進めている。

 国策として射幸産業を健全なレジャー産業として育成するためには、賭博中毒予防・治癒問題での一元化は避けられないし、被害者団体などの存在も無視できない。また違法賭博サイトなど違法射幸産業の存在など、既存のルールでは対処できない新たな課題も噴出。国を挙げて真剣に射幸産業に対峙(たいじ)する姿勢がうかがえる。韓国での試行錯誤を追うことは、射幸性を伴う産業がどのように依存などのネガティブな要素をクリアしていくかの参考になる。反面教師である以上に、そこには豊かな指標も含まれている。

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【プロフィル】木村和史

 きむら・かずし 1970年生まれ。同志社大学経済学部卒。大手シンクタンク勤務時代に遊技業界の調査やコンサルティング、書籍編集に携わる。現在は独立し、雑誌「シークエンス」の取締役を務める傍ら、アジア情勢のリポート執筆などを手掛ける。

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