自動車メーカー各社がイベントやテレビCMで、車両や歩行者との衝突を避ける安全技術を積極的にPRしている。自動ブレーキなど自動運転技術の開発が進み、安全に対する消費者の関心が高まっているためだ。交通事故の約9割は人的ミスが原因とされており、最新の安全技術が商品の競争力も左右しそうだ。
運転支援システム「アイサイト」を開発した富士重工業は、積極的に体験イベントを開催している。2010~14年度に同社が国内で販売した約30万台を対象にした調査で、アイサイト搭載車は搭載していない車に比べ、人身事故の件数が約6割少なかった。今後もイベントを開き、こうした技術面の優位性を訴える方針だ。
高速道路の同一車線での自動運転を実現したモデルを年内に投入する計画の日産自動車は、ロック歌手の矢沢永吉さんをテレビCMに起用。同社のテストコースで自動運転車両のハンドルから手を離して走行する姿が話題だ。
トヨタ自動車も昨年、前方車両への追突や車線逸脱などを防ぐ安全技術を強調したテレビCMの放映を始めた。