株主からの質問をうながす高橋興三社長=23日午前、大阪市西区(前川純一郎撮影)【拡大】
鴻海傘下入りについて株主から厳しい追及が相次いだが、一方でシャープファンからの温かい激励と受け取れる質問もあり、緊張した経営陣の表情も少し緩んだ。
ある男性株主は「鴻海に決まってほっとしている。私は(シャープのライバルでもある液晶大手の)ジャパンディスプレイ(JDI)の株主でもあるが、株を買ったらすぐに大幅な業績修正をした。投資家をばかにしている。(JDIを参加に置く)産業革新機構でなくてよかった」と経営陣を援護射撃。
「御社のディスプレイはJDIに比べてどんなところが優れているのか。米アップルが有機ELをスマートフォンに搭載しようとしているが、シャープの開発状況は」と質問した。
液晶事業を統括する桶谷大亥常務執行役員が登壇し、「ありたがく力強いお言葉に感謝します」と礼を述べた後、「JDIの液晶はG6と呼ばれる比較的小さなサイズのガラス基板でないと対応できない。シャープはG10という大きなサイズまで対応ができる」と自信を込めて語った。
「有機ELは、量産ラインは持っていないが、基礎検討は十数年やっている。特許と技術を数多く保有している。鴻海の力を借りるということは出口があり、たくさんの顧客がいる。韓国勢にも一気に追いついていきたい」と威勢良く述べると、会場から拍手が起こった。