ソフトバンクグループは22日、東京都内で定時株主総会を開いた。後継社長候補と目されていたニケシュ・アローラ副社長(48)の退任に関し、孫正義社長(58)は「あと1年での交代を考えていたが、欲が出てきた」と述べた。5~10年は続投する意向を説明し、株主に理解を求めた。
総会前の取締役会で、取締役選任議案からアローラ副社長の再任案を外すことを正式に決め、総会ではアローラ氏を外した取締役の人事案が可決、承認された。
総会の冒頭、アローラ氏は「孫氏の決断を尊重する。アドバイザーとして継続してサポートしていく。ご理解をいただきたい」と挨拶し退席した。兼務していたヤフーの会長や米国の海外投資子会社の社長も辞任。7月1日付で新たにソフトバンクの顧問に就き、海外投資の助言などを行うという。
孫社長は「60歳での退任を本当に考えていた。自分が老害になってはいけない」としつつ、「コンピューターが人類を超える『シンギュラリティ』が2018年にやって来る中で、もう少し社長を続けたいという欲が出た」と、コンピューターや情報技術が新たな展開を迎えることを方針転換の理由に挙げた。