23日の日本郵政の株主総会では、28日付で日本郵便の社長に就任する横山邦男氏、ゆうちょ銀行社長の池田憲人氏、かんぽ生命保険社長の石井雅実氏ら取締役15人の人事案が可決された。マイナス金利政策下での資産運用がグループ全体の課題となる中、日本郵政の長門正貢社長をはじめ、グループ4社のトップはすべて民間金融機関出身となる。
横山氏は2009年に日本郵政の専務執行役を退任して以来、7年ぶりの日本郵政グループ復帰となる。当時は日本通運との宅配便事業統合やかんぽの宿売却など、郵政民営化の主要事業を牽引(けんいん)してきた。ただ、横山氏には郵便や物流部門の経験は乏しく、日本郵便の社長就任の報道が出た時点では「本当なのかと皆が戸惑っていた」(日本郵便役員)という。
日本郵便の収益拡大に向けては、長門氏は「企業の合併・買収(M&A)や出資、提携しかない」と言い切っており、金融機関でM&Aに長年、携わってきた横山氏の起用は長門社長の期待の表れといえそうだ。