燃費データの不正測定問題に揺れるスズキは29日に開く株主総会で、鈴木修会長が問題の責任を取り、兼務する最高経営責任者(CEO)を退く。スズキは総会後に開く取締役会で後任を決めるが、誰を選ぶかが最大の焦点となる。会長の長男で創業一族の鈴木俊宏社長がCEOを兼務するのが順当とみられる。だが、俊宏氏自身も不正を見逃した責任を負うだけに、明確な説明がないまま人事を決めれば、世襲批判が高まる恐れもある。
「CEOは代表取締役か取締役から選ばれる」
鈴木会長はCEO辞任を表明した今月8日の会見で、次期CEO選任の条件をこう示した。もっとも現状では社長の俊宏氏以外に有力な候補者は見当たらない。業界関係者の間では俊宏氏のCEO兼務が“既定路線”とみられている。
ただ問題となるのは、俊宏氏自身が燃費測定の不正の責任を取り、7月から報酬を半年間、3割減らす処分を受けていることだ。新CEOの選任にあたり、スズキがどう理由を説明するかが、大きな焦点となるのは間違いない。