東京電力ホールディングス(HD)の株主総会が28日、東京都渋谷区で開かれた。「原発の放棄」「電源は再生可能エネルギーへとシフトすべきだ」といった脱原発などを求める株主提案が10議案提出されたが、すべて否決された。今年4月に持ち株会社制に移行してから初めての総会で、出席者は1321人と昨年より700人以上少なかった。所要時間は約40分短い3時間程度で終了した。
福島第1原発事故当時の清水正孝社長が「炉心溶融という言葉を使うな」と指示していた炉心溶融隠蔽(いんぺい)問題が発覚したことについて、株主は「(トラブルを)小さく見せようとする体質は以前から変わっていない」と批判した。広瀬直己社長は改めて連絡体制に不備があったことを謝罪。その上で「ご迷惑、ご心配をお掛けし、おわび申し上げる」とし、社員教育の充実などで再発防止に努めると述べた。
この問題について、別の株主からは「当時の官邸の圧力があったとの報告があった。それなのに民進党はこの過ちについて何も謝罪しないばかりか、選挙妨害だともいっている。東電HDとして許していいのか」との質問も。これに対しては、数土文夫会長が「国政選挙が始まっており、(答えるのには)なかなか難しい」と述べるにとどめた。