小中高生向けのキャリア教育に対する熱が高まっている。代々木ゼミナールが小学生から高校生の生徒向けに、職業情報を提供するサービスをはじめる。代ゼミとそのグループの「SAPIX」の生徒向けに、提携する企業が持つ約180社の企業で働く従業員情報(学歴、職歴、将来の目標など)を公開する。気に入った人がいれば訪問することも可能とのこと。今まではこういった職業情報などのキャリア教育は大学生が対象だった。
しかも就職活動をする3年生がメインだ。小中高生となると、あまりに早いように感じるかもしれない。実は、「決して早くない」というのが私の感想だ。理由として、「企業が採用活動で学生に求める人物像の変化」がある。近年の採用活動では企業が学生に対して「なぜその学部やゼミを選んだのか」や「学んだことは仕事にどう生きるのか」を頻繁に聞いてくる。これは近年、定番の質問となった。例えば経済学部などビジネスに関わりの強い学部の学生のほうが、働くことへの興味が強いと評価されることが多い。
実際に大学ではゼミなどで学ぶ内容も、実社会とつながりのあるメニューを選べる。将来の職業選択に関わる学びを得ることができる。先の質問にあるように、企業は大学入学の時点で意思を持って学び、就職活動を迎える学生を評価するようになった。つまり、高校生までのあいだに自分のキャリアを考え、進学先を選ぶ必要があるのだ。