『国内最高値』で管内の関西エリアに電気を供給している関西電力が7月、首都圏に“攻め入る”。他の大手電力よりも3カ月遅れてエリア外での家庭向け電気販売に乗り出すのだが、八木誠社長は「出遅れにデメリットがあると感じていない」と強気だ。販売に向けた提携相手には、「街の電器屋さん」とも呼ばれる系列販売店をもつパナソニックや家電量販店の上新電機など関西企業の名も上がる。国内2位の関電が、最大手の東京電力ホールディングス(HD)のおひざ元で3年かけて10万件獲得を目指す。大手電力の競争は必然と激しさが増す。(中山玲子)
東電HDより最大4~6%安く
「出遅れたことで逆に、先行した他の事業者(新電力)の販売手法や顧客獲得状況の分析ができた」
5月下旬、関電社長として臨んだ最後の定例記者会見。他の大手電力などよりもエリア外での家庭向け電気販売が遅れたことを問われ、八木誠社長はこう答えた。さらに「4月に全面自由化が始まって(競争は)これからだ。3カ月遅れたことにデメリットがあるとは感じていない」と付け加え、出遅れに大きな影響はないとの考えを示した。