採用の「ガラパゴス化」に疑問 経済同友会・天羽稔教育改革委員長 (1/2ページ)


【拡大】

 経済同友会は1、2年生が対象となる長期型インターンシップを、本来の意味の「就業体験」と定義付け、企業の間に浸透させたい意向だ。基本的な枠組みをまとめた教育改革委員会の天羽稔委員長は、インターンシップは「あくまで学生を中心に考えたい」と学業優先を強調する。

 --インターンシップの現状は

 「採用に直結し、1日コースなどと称して実施されているのがインターンシップと呼べるか、はなはだ疑問だ。本来の意味と大きくかけ離れている。新卒採用の3割が3年で離職するという現状は、新卒の『一括採用』が学生と企業がマッチングしていないことを裏付けており、インターンシップも含めて、まさに(国際的に通用しない)『ガラパゴス化』が進んでいる」

 --教育改革委メンバー17社が長期型を実施する

 「大事なことは、就職活動を抜きにして実施することにある。学生が就活にどんどん時間を費やされ、しっかり勉強できていない現状はどう考えてもおかしい。インターンシップを通じて1、2年生に働くことに対する『気付き』を与え、4年間しっかり勉強してほしいというのが基本的な考えだ。ところが、日本には1、2年生から将来の働き手として育てるトレーニングがない。(理想としては)米国のように卒業証書をしっかり持って就職してほしい」

「長期型の実施は学生のため、引いては企業のためにもなる」