大手行、長プラ1年半ぶり引き上げ 日銀の緩和策修正観測受け

 日銀の金融緩和が軌道修正されるとの思惑から市場金利が上昇しているのを受け、大手銀行が企業への貸出金利の目安となる長期プライムレート(最優遇貸出金利)を1年半ぶりに引き上げている。市場金利の乱高下が金融機関や企業の活動にも影響し始めた。

 三井住友、三菱UFJ、みずほの3信託銀行は10日、長プラを現行より0.05%引き上げ、年0.95%にすると発表した。12日から適用する。引き上げは昨年2月以来、1年半ぶり。

 これに先立ち、みずほ、新生、あおぞらの3銀行と商工中金は10日、長プラを従来の年0.90%から0.95%へ一斉に引き上げた。それぞれ1年半ぶりの引き上げだ。

 長期金利の指標となる10年物国債利回りは7月上旬に過去最低となるマイナス0.3%まで低下(価格は上昇)。しかし、日銀が同月末の金融政策決定会合で、次回の9月会合で「総括的な検証」を実施する方針を打ち出したことから、「金融緩和に変化が生じる」との見方が広がり、長期金利は一転して上昇し始めた。

 その後は金融政策をめぐってさまざまな思惑が交錯し、現在は乱高下している。