□東京海上日動火災保険 広報部長・有田克彦氏
--この1年、トップ交代や大型企業買収など大きな動きがありました
4月に永野毅社長が会長に、北沢利文副社長が社長に就任しました。2002年にミレアHD(現東京海上HD)を設立して以来、東京海上ホールディングス(以下HD)と両方の社長を兼務してきた永野会長は、グループCEOとしての立場を明確にしました。昨年、米HCCインシュアランス・ホールディングスを約9000億円で買収しましたが、08年から英キルン社や米フィラデルフィア社、米デルファイ社など海外保険会社のM&Aを進め、グループの収益に占める海外保険事業の割合は、修正利益ベースで50%近くにまでなってきました。M&Aは収益機会の拡大とともに、グループの事業リスクを地理的・事業的に分散することを目的としていますが、事業構造が大きく変化していく中で、グループ一体的経営をさらに強化することが今回の経営体制変更の狙いです。
--国内の状況は
近年、地震や台風など自然災害の頻発、情報通信技術の進展によるサイバーリスクの増加、企業活動のグローバル化による新たなリスクの発生など、リスクも多様化してきており、私たちを取り巻く環境はますます複雑化しています。そうした中、お客さまをあらゆるリスクからお守りするため、生損保一体でご安心をお届けし、お客さまから選ばれ、成長し続けることを目指しています。それがひいては持続的な利益成長につながると考えています。北沢社長は、東京海上日動あんしん生命の役員、社長を長年務めてきましたので、より幅広い商品・サービスの提供に社内外から注目が集まっています。