林業活性化の「切り札」期待 大型木製パネル、実験棟でPR

2016.8.23 05:00

国産スギのCLTを使って建設した日本CLT協会の実験棟=6月、茨城県つくば市
国産スギのCLTを使って建設した日本CLT協会の実験棟=6月、茨城県つくば市【拡大】

 直交集成板(CLT)と呼ばれる大型木製パネルの利用拡大に期待が高まっている。国土交通省が今春、建物に使いやすくするよう基準をまとめたためで、関連業界の団体は実験棟を造ってアピールする。政府は国産材の活用につなげ、林業活性化の「切り札」にしたい考えだ。

 CLTは板の繊維方向が直角に交わるようにして何層も重ねた頑丈なパネル。床や壁といった主要な構造部分に使う場合、従来は建物ごとに国交相による認定を受ける必要があり、手続きに半年程度かかっていた。基準に沿えば個別の認定が不要になった。

 日本CLT協会(東京)は3月、茨城県つくば市に2階建ての実験棟を建設した。国産スギによるCLT130枚以上を壁や床などに使用。高さ約6メートルの壁は木目が見え、木のぬくもりを感じられる。国立研究開発法人の建築研究所と共同で、遮音性や断熱性などを検証している。

 実験棟の内部は公開しており、建設業や自治体関係者ら約1300人が見学に訪れ、関心が高い。協会などは基準の解説書を作成し、設計者や施工業者向けの講習会を開催。秋には設計施工のマニュアルも作る予定だ。

 林野庁によると、3月末時点で主要な構造部分にCLTを使った建物はリゾート施設ハウステンボス(長崎県佐世保市)のホテルなど13棟、部分的に使った建物は少なくとも22棟確認している。これまで木材が使われてこなかったマンションや商業施設といった建物での活用を促す考えだ。

 2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場でもCLTが一部使われる予定で、林野庁の担当者は「五輪でCLTを含めた国産材をPRしたい」と意気込む。

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