【宮城発 輝く】ヤグチ電子工業 確かな技術力で開発型メーカーに変貌 (1/4ページ)

2016.9.1 05:00

宮城県石巻市の電子機器製造会社「ヤグチ電子工業」。被災地からヒット商品を送り出している
宮城県石巻市の電子機器製造会社「ヤグチ電子工業」。被災地からヒット商品を送り出している【拡大】

  • 9月に発売予定の「ポケットPM2.5センサー」(仮称)。スマートフォンに接続して使う

 東日本大震災から8月30日で2000日、9月11日には5年半の節目を迎える。津波で大きな被害を受けた宮城県石巻市の田園地帯の真ん中で、世界も注目するユニークな商品が次々と生まれている。震災を機に開発した小型放射線量計「ポケットガイガー」で注目を浴びた電子機器製造の「ヤグチ電子工業」だ。長年培った高い技術力を武器に、受託生産だけに頼らない開発型メーカーに変貌を遂げている。

 同社は1974年に相模原市で創業し、90年に河南工場(石巻市)を設立。大手電機メーカーから委託を受けて電子部品を製造してきたが、国内製造業の空洞化で受注が減り、2009年の相模原市の工場閉鎖に伴い、石巻市に本社機能を集約した。

 ◆小型線量計ヒット

 渡辺俊一社長(64)は「受託生産だけでなく、新しいことを始めないと」と考えていたが、その矢先に震災が発生。工場は一部が損壊し、停電の影響で10日の休業を余儀なくされた。

 東京電力福島第1原発事故も起こり、多くの市民が不安な日々を過ごした。そこで同社は長年培ってきた電子部品技術を生かし、従来の測定器とは違い、「放射線検出半導体」で大気中の放射線量を検知する機器を開発。スマートフォンの専用アプリで数値を確認できる「ポケットガイガー」を試作した。

 震災の5カ月後に200台をネット上で売り出すと、予約開始から30分で売り切れ。改良を重ね、現在までに約5万4000台を販売した。人気の秘訣(ひけつ)は測定値をフェイスブック上で共有し、利用者や研究者、専門家が線量について議論できるようにしたことだった。

 一方で利益はギリギリまで削った。「震災でもうけることになる」と抵抗感があったからだ。佐藤雅俊工場長(46)は「利益はなくても世の中の役に立ち、開発分野にとっても大きな一歩になった」と振り返る。

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。