マツダのカラーデザイナーに聞く 「とにかく独自性を」「会社の思いを色で表現」 (5/6ページ)

2016.9.11 07:12

マツダのカラーデザイナー・岡本圭一氏と、マシーングレーに塗装されたアクセラ
マツダのカラーデザイナー・岡本圭一氏と、マシーングレーに塗装されたアクセラ【拡大】

  • ソウルレッドに塗られた(手前から)CX-3、ロードスター、デミオと、新色マシーングレーで塗装されたアクセラ
  • 「マツダ=赤」マツダがこれまで発表してきた、赤色のプロダクションモデル

--ソウルレッドは他のカラーと同じラインで噴いているのに、なぜ高いのか。

 「あの色を他のカラーと同じラインで塗ろうとしたら不可能ですが、それを可能にしたわけです。そこにはものすごい技術が入っています。それぞれの色はコンピューター制御で管理されています。使っている材料はもちろん高いですし、いろいろと工数もかかります。そうするとコストは総合的に高くなります。本当はプレミアムラインと通常ラインを分けてコントロールしたほうが楽です。でも、そうすると更にコストがかかって、カラーの値段がもっと高くなるんです」

 「一般的にはノーマルとプレミアムのラインを使い分けていて、たぶん工場も違うはずなんです。私も他社さんのことは詳しくありませんが、通常の考え方はそうなんです。そうすると手間暇のほか、全体的にお金も時間もかかります。マツダがすごいのは通常のラインでロボット制御をするだけで、プレミアム塗装も同時に噴くことのできる技術を開発したことです。しかも、それを地球環境に最も優しいシステムの中でやっているんです。いい色だから許されるだろうという気持ちではいけないという考え方があるわけです。その中でもデザインは妥協しないぞと、と。そういう両立もできているんです。そこは、他社にはすぐに真似ができないと思うんです」

--塗装はどこまで人為的に行い、どこからデジタル化しているのか。

 「イベントに展示するショーカーのような“一品モノ”は、職人が何日もかけてムラがないように手作業で作り上げます。量産ラインは基本的にコンピューター制御で行い、人の手はわずかです。一部のゴミ付着や細かいところは手で補正することもあります。手作業の場合は一日に数台しか作れず、コストも上がり、お客さまへの提供数も格段に減ってしまいます。我々はできる限りマツダに共感してくださるお客さまの手元にクルマを届けたいという気持ちがあるので、手間暇をかけずに手作業に匹敵する意匠をラインの中で組んでいます。人の手で塗ったような味わいあるものを技術革新でカバーして、同等のものを作っていくのが『匠塗(たくみぬり)』の技なんです」

会社のメッセージをカラーで表現する時代

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