世界最大規模の鉄道技術見本市「イノトランス2016」が20日、ベルリンで4日間の日程で開幕した。日立製作所は車両製造から保守、運行システムまで一貫して手掛ける総合力をアピール。ドイツのシーメンスをはじめとした欧米の巨大メーカーへの対抗姿勢を鮮明にし、世界市場で受注拡大を目指す。
日立は高速車両や運行管理の仕組みを映像やパネルで紹介した。同社はイタリア企業から車両や信号に強みを持つ鉄道事業を買収し、事業者にシステムを一括で提案できる態勢を整えた。シーメンスやカナダのボンバルディア、フランスのアルストムの牙城を切り崩したい考え。各社は多くの機器がインターネットでつながる「モノのインターネット(IoT)」の技術を活用して点検箇所を事前に把握したり、電力を効率的に利用したりするエコ技術を披露した。
イノトランスは2年ごとに開催され、今回は60カ国から約3000社が出展。世界最大の鉄道車両メーカーである中国の中国中車やJR東日本、川崎重工業なども参加した。(ベルリン 共同)