国内外の自動車部品メーカーで自動運転技術の開発強化に向け買収や提携が相次いでいる。センサーやカメラ、レーダーなど実用化に不可欠な技術を外部のノウハウで補い、いち早く技術を確立して、受注競争を優位に進める狙いがある。
デンソーは今月、富士通傘下のカーナビ大手、富士通テン(神戸市)の子会社化に向け富士通と協議することで基本合意した。富士通テン株の保有比率を現在の10%から51%に引き上げる。
富士通テンは車両間隔や人の存在を把握するミリ波レーダーに強みを持ち、デンソーは技術を取り込んで開発力を強化する。デンソーの加藤良文常務役員は「先端技術があればどことでも組む用意がある」といい、外部機関と幅広い連携を積極的に進める方針だ。
技術の早期実用化に向け買収や提携をより活発化させているのが欧州メーカーだ。独コンチネンタルは今春、米国のレーザー技術メーカーからセンサー部門を買収した。レーダーやデータ解析に強みを持つコンチはセンサー技術も取り込んで、自動運転の複合システムの提案を目指す戦略だ。