爆発物の微粒子を3秒で探知 日立がIDカード検査装置開発

 日立製作所は29日、それぞれの人が持ち歩いているIDカードに付着した微粒子を分析し、爆発物を運んでいないかを約3秒で探知できる検査装置の提供を10月から始めると発表した。1時間で最大1200人の検査が可能で、国際的にテロ事件が増加する中、空港や競技場など大型施設での導入が期待できそうだ。

 装置は駅の改札機のような形状で、通行人が持ち歩くIDカードを挿入すると、上下から空気を噴射して付着した微粒子を回収、爆発物の微粒子を検知すると赤い信号やアラームで知らせる。

 監視カメラや顔認証システムと連携させ、広範囲にある複数の施設で、情報を共有することもできる。

 このような微量成分の検査装置は、エックス線検査や金属探知機と並び活用されているが、検査員が立ち会って所持品に付着した微粒子を拭き取り検査するのが一般的で、時間がかかることが課題だった。