なじみ深い“オレンジ”が、ついに引退を迎える。年内にもJR大阪環状線に新型車両が投入され、昭和40年代からずっと親しまれてきた「103系」が順次、姿を消していく。都市の大動脈で例を見ないほど長期間にわたって変わらず用いられ続けたオレンジ色の車両は、関西在住者にとって愛着を通り越し、シンボルとなっていた。「なくなる前に乗ろう」「記録するなら今のうちに」…。別れを惜しむファンが次々と足を運ぶ。一方、「暗い」「汚い」などと負のイメージが強かった大阪環状線の駅施設でも、半世紀前の全線開通以来初めてとなる大規模改装が進んでいる。
何に乗っていいのか?!
JR大阪環状線は昭和36年4月に全線が開通。大阪や京橋、天王寺など大阪市内の19駅を約40分で一周する。営業区間は約21・7キロだ。
関西在住者にとっては通勤・通学や買い物などで利用するなじみ深いものだが、首都圏からやって来る人には勝手が違うらしい。まず車両の古さに驚愕(きょうがく)するとともに、最も頭を悩ますのがJR大阪環状線だという。
山手線は、例えば京浜東北線や埼京線は乗り入れていない文字通りの「環状」だ。だが、大阪環状線は、紀州路快速や大和路快速などが乗り入れ、「山手線感覚で乗ると大変なことになる」と悲鳴が漏れる。